帰宅
1950年7月23日
産まれたばかりの赤ちゃんと
たった今、帰ってきました。
生まれて30時間の赤ちゃんと。
アパートの部屋をつなぐ壁を通して
何かをたたくような音がして
赤ちゃんをつれておいで、
と言う声が聞こえてきました。
お隣さんは2週間前に足の骨を折ったばかり
足全体にギプスをはめていて
自由に動き回ることができません。
大声で返事をしながらおしめを替え、
赤ちゃんを毛布でしっかりと巻いて、
隣の家へ走りました。
軽くノックしてからドアを開け、
「来たわよ」と声をかけました。
次の瞬間、予想外の出来事が!
ジェニーの犬、
いつもはおとなしい犬が、低い声で唸って、
飛びかかってきたのです!
大きなドーベルマンの犬で、
止める間もなく赤ちゃんに飛びかかり
私の腕から下に叩き落として
みんな一斉にバランスがくずれました。
倒れていくその時に
両手をできる限りいっぱいに伸ばし、
赤ちゃんが下に落ちないうちに
なんとか受け止めました。
それと同時にジェニーと娘さんが
犬をひっぱり落ちつかせようとしました。
私は、開いたドアをめがけて、
一目散に走って帰りました。
家に着いてから、
赤ちゃんをつつんだ毛布をとり、
無事かどうか確認しました。
無事でした。
ただ、毛布にはよだれと
歯型がくっきりとついていました・・・
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